「宿ではなく、”コミュニティ”を楽しむ」|LACアワード2022 LivingAnywhere部門受賞・Kiyoさんインタビュー

サービス 2023.07.14
場所やライフライン、仕事などのあらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)。 そして、それをともに実践することを目的としたコミュニティ「LivingAnywhere Commons(以下 LAC)」。 今回、そのLACが大切にする価値観を体現し、実践するユーザーさんを感謝と敬意を込めて表彰するアワードが、2022年10月29日(土)に行われました。 本記事では、LACアワード2022で「1年間に最も多くの拠点を訪れた」ユーザーさんに贈られるLivingAnywhere賞を受賞されたKiyoさんにインタビューをし、そのライフスタイルやLACでの生活について伺いました。

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仕事を辞めてでもやってみたかったこと

ーーLACを知ったきっかけを教えてください。

ちょうど1年半くらい前に「丸の内朝大学」というコミュニティの無料講座で小池さん(LACの事業責任者である小池 克典さん)が話していたのを聞いて知りました。

ーーいまお仕事は何をされているんですか?

無職です。

ーーどうしてLACを使って生活しようと思ったんですか?

LACを使いはじめたきっかけは、この生活をはじめたこともそうなんだけど、以前は仕事をしていても楽しかったし、何も不満はなかったんですよ。続けても別に構わなかったし、それなりに楽しくできていたんだけど、なんかそれだけじゃ嫌だなって気がしていて。

それで、自分自身で仕事の合間にやりたいことをやっていけるかな、どうかなって考えたときに、たぶん無理だなと。仕事もやりたいことも、両方中途半端なんだろうなと思って。

ーーうんうん。

で、それだったらどうしようかなってなったときに思ったのは、仕事を続けた先っていうのはなんとなく自分で見えるんですよ。5年後や10年後、どこにいてなにをしてるのかがわかる。
それに対して、仕事を辞めたときの自分は全く見えなかったんですよね。どうなっているのかわからない。

じゃあ、どっちが楽しいの?1回しかない自分の人生で、どっちをやりたいの?っていうふうに自分自身とすごく相談をしていて。
この世界って知らないことばかりだから。その知らないことを少しでも学びたい、そして、自分の人生を豊かにしたり楽しんだりしたいと思って仕事を辞めたんですよ。

人と、地元と繋がる

ーーそんな経緯があったんですね。

で、仕事辞めて、どうすればそれができるのか考えたときに、本を読むことと、リアルで人と会うことだなと。
なら、リアルで人と会うことって、どうやったらできるの?って考えていたときに、LACがあることを知って。

僕、旅人同士が繋がるっていうのはあまり興味なくて。小池さんの話を聞いたときにも、「地元の人と繋がる」って言っていたのに魅力を感じたんですよね。

ーーうんうん。

いろんな場所に拠点ができていって、いろんな場所の地元と繋がっていく。そこで、僕がやりたかったやり方をしてる旅人みたいな…まあ、風の人ですよね。

あと、地元の人は土の人ですよね。その土地で暮らして、楽しんでいる。
それを繋ぐと、土と風が繋がると何か面白いことが起きるんじゃないのって思って。
それで、LACをちょっと覗いてみようと、覗きはじめたのがきっかけですね。

ーーすごいきっかけですね!今の生活をはじめる前と後で、なにか変わったことはありますか?

変わったことは、自分自身が何事に対してもポジティブになってると思う。

あと、自分の中ですごく変わったなと思ったのは、答えがあることがつまらなくなってきた。答えがないことを探しはじめている気がしますね。

Kiyoさん(左)とLACの事業責任者・小池克典さん(右)
Kiyoさん(左)とLACの事業責任者・小池克典さん(右)

偶然の幸運に出逢った拠点

ーー今までに訪れた拠点の数を教えてください。

30弱くらい。ちゃんとは数えてないけど、表彰していただいたときに「24」って言ってたので、それプラスアルファで30弱だと思います。

ーーたくさん!すごいですね!どこか、おすすめの拠点はありますか?

おすすめの拠点っていうのは人それぞれバラバラだと思うから、その人に会ったときに話をしてからかな。やっぱり拠点ごとにすごく特徴が違うんですわ。
これがまた面白くって。なぜ違うのって、やっぱり土の人、地元の人たちの違いなのね。

それこそコミュマネがすごくしっかりしてるところもあれば、地元の人たちと繋がりやすいところもあるし。あとは何をしたいかによっても変わるじゃない。だからおすすめっていうのは一概にないですね。

ーーそうなんですね。ありがとうございます。ちなみに、Kiyoさんのお気に入りの拠点はありますか。

お気に入りは和歌山と美馬が好きですね。偶然の幸運に出逢えたから。

和歌山は「RICO」っていうところなんだけど、1階がバーで、お酒飲んだり、軽食食べたりできるようになってて。

1年前の8月にはじめて行ったときに、そこでRICOのオーナー夫婦とお酒飲んでて、地域おこしの話をしてたんですわ。

それで地域おこしつまんないよねって話をしてたのね。特に商店街のイベントとか。例えばマルシェを呼んで、そのマルシェに外から人が来てくれてその街が活性化するみたいな絵を描いていたんだけど、「それやっても意味ないじゃん」って話をしてたのね。

「やるんだったら、まず地元の人たちが楽しまなきゃいけないよ」って。そしたら、たまたまRICOのオーナー夫婦が「実はそのイベントをやる側なんです」って話になって。

で、「Kiyoさん何やってるんですか?」「無職です」っていう話になりまして。「何かプラプラしてる」って話したら、「だったら一緒に関わりませんか」っていう流れになって。それで関わったのがきっかけです。そこで繋がった人との交流や学んだことは、ものすごく大きかったね。

それで、今でも和歌山が自分の地元みたいな感覚になってるのかな。知り合いとかLACで旅した人が、僕が和歌山にいるときに来てくれると「あ、和歌山に来てくれてありがとうね」っていう言い方をするようになってて。すごく親近感が湧いてる。うん。

▼LAC和歌山

https://livinganywherecommons.com/base/wakayama/

ーーなるほど。美馬はどうですか?

美馬はクリエイティブな方たちがたくさんいて。LACの拠点になってからはじめて知った地域だったんですけど、行って話してみると面白い連中ばかりが集まってるんですよ。

仕事と遊びの垣根がほぼない人たちがすごく多くて。
「何をやってるんですか?」って聞いたときに、「何だろうね」っていうような人たちが多い。そこで、僕も日々何も予定がないんだけど、何か予定作ってくれる人たちがたくさんいるので。
そこで一緒に遊ぶのが好きで、美馬も好きですね。

▼LAC美馬

https://livinganywherecommons.com/base/mima/

LAC=人と人が遭遇し、繋がる場所

ーーKiyoさんが思う「LACの魅力」はなんですか?

まずはこの仕組みを作ったことに対して、すごいなと思ってるのね。
それっていうのは、アワードでもちょっと話をしたところなんだけど、今の社会ってさ、いろいろと人と出会うんだけどすれ違うんだよね、いろんなところで。宿もそう。同じ宿で隣の部屋に泊まってるけど、全く話さないでしょ。

アワード表彰時のコメントはこちら↓

https://note.com/lacommons/n/n3a5cb7e954c4

レストランとか食堂でも、、同じ朝ご飯食べてるんだけど、知らない人と話したことありますかって、まずないよね。話しかけちゃったら、逆に「この人変な人じゃ、面倒くさいな」って逃げるでしょう。そういうところがね、増えてきた。昔はそうでもなかったのに。「相部屋いいですか」っていう時代もね、僕がちっちゃい頃はあったんだわ。

相部屋にするとやっぱり話をするし、お酒を飲んでたら「どうぞ」って気遣ってくれるからその中で出会いがあったわけ。だけど今っていうのは、対面してもすれ違うじゃない。なんか、その「すれ違い」っていうのが僕の中ですごくつまんないなと思ってて。

それに対して、LACは「ぶつかる場所」、「遭遇する場所」になってる。誰かが来たときに声をかけるのが普通。それで声をかけられて、もちろん断っても構わないし。「自分自身でやることがあるから、今日はごめんね」って。でも、声かけられたことによって相手としても「なんかちょっと嬉しいな」と。「次は話したいな」っていうようなことがあって、すごくいい出会いができてるなと。人と人とが繋がることによって満足度がすごい高くなった。

ただ、それを提供する宿を僕は今まで知らなかった。ゲストハウスとかもあるんだけど、本当に人と人との遭遇や繋がりに主眼を置いてやってるところは、やっぱり少なかったと思う。

でも、それがLACにはあって、なおかつ拠点もいっぱいある。人と人が繋がる場所、それを地元の人も巻き込んで提供するサービスっていうのが、僕はすごいなと思って。

ないものを作るっていうのって、すごく大変なのね。「どうやって作るの」ってなったときに、その作り方って、たぶん「余白をいっぱい出すこと、残すこと」だと思う。うん。細かいとこまで全部決めなくて、何も考えてない部分がいっぱいあってそこをユーザーさんと運営側とで作っていく。あとは、地元でも作っていく。それでできあがるところっていうのは、今までにないものだと思う。

今までにないし、それを1年、2年、3年…ってずっとやり続けたときに、どういうコミュニティができてくるのかっていうところに、すごく興味があります。それがLACに対する期待っていうか興味ですね。

インフルエンサー賞にノミネートされたじょうじと一緒のKiyoさん。 このあと、じょうじと一緒に旅に行かれたようです!
インフルエンサー賞にノミネートされたじょうじと一緒のKiyoさん。 このあと、じょうじと一緒に旅に行かれたようです!

自分自身が楽しめるように

ーーLACの会員さんとか関係者の方だけじゃなくて、地元の方との交流とかも大事にされてるのがすごく素敵だなと思いました。
なにか、これから「やってみたいな」と思っていることはありますか?

特に何もないんですよね。ただ、この生活を続けていく中で自分自身がマンネリ化してきてると思ったらやめる時期だと思ってます。うん。だから「ずっと続けるか」と聞かれたらそれはわかりません。いつまで続けますか?それもわかりません。

ただ「やめるタイミングってあるんですか?」と聞かれたら、「あります」っていう答えになります。「自分自身が仕事を辞めてでもやりたかったこと」ができてるかどうか。それを考えながら動いてる。

だから「仕事してた方が楽しかったかも」って思ったときには、たぶんこの生活じゃ駄目なんだろうなと。だから、そうならないためにも、もっともっと人と会っていろんな話を聞いて、自分自身もいろいろと勉強して…。自分自身が楽しめるようにしたいなと思ってます。

ーーありがとうございます。

宿ではなく、「コミュニティ」を楽しむ

ーー最後に、最近拠点回り始めた人とか、これからLACを使ってみたいなと思っている人たちに向けてのメッセージをお願いします。

ちょっと漠然としてるんですけど、「怖がらずに、自分から声かけてみて」っていうのが一番かな。声かけられて迷惑な顔をする人間ってほぼゼロなのね。

例えば、拠点で出会った子に「今日の夜ひま?」とか、「何か予定入ってる?」って聞くのね。そしたら、9割の子は嬉しそうな顔をするよ。

だから横瀬とかいくと、「今日、飯作るし一緒に食わない?」とか話をして。適当にスーパーで食材買ってきて割り勘で食べると、安いときには300円くらいでできちゃうのね。あそこには、みんなでシェアしてるお米があるからさ。うん。

なんかそういうことができて、しかもLACはお店じゃないからさ、食べ終わった後にすぐ場所移動とか「解散ね」とかじゃなくて、その流れが延々と続いちゃうのね。寝るまでっていうか、暇だったらずっとそのまま話が盛り上がっていくような感じになってるから。

そういうのってすごく楽しいんだけど、人に作ってもらうのを待つよりも、自分で作っていけばいいんだわ。それって、実は全然ハードル高くなくて、ただ恥ずかしがらずにやることかなっていう気がする、うん。宿ではなく、「コミュニティ」を楽しむっていう意識で、拠点を回っていくのがいいんじゃないかなって思います。

ーーありがとうございます。宿ではなく、コミュニティっていう感覚をちょっと意識してみたいなと思います。

そうだね。あと、僕自身が気をつけているのは品格。結構ゲストハウスとか回ってると、住人とか宿泊者の質っていうのが気になるのね。

それは、なんか一目見ればわかるんだわ。綺麗になってるかどうか。例えば、ご飯食べた後に、「後で洗おう」じゃなくてその都度綺麗にするとか、自分で使ったテーブルを拭いておくとかさ。布団も綺麗に畳んどくとか。

そういう、いろんなところで気を使ってるなっていうのが見えてる拠点は、すごいなと思っていて。例えば青島(LAC宮崎青島)に行ったときには、宿泊者が自分たちで時間があるときにさっさと掃除してるのね、コミュニティスペースを。それを見たときに、「この人たちは素晴らしいな」と思ったりしたから。

「コミュニティを自分たちが一緒になって作る」っていうイメージを持ったときに、やっぱ綺麗な方がいいしさ。例えば空いたお皿があったら、率先して洗って片しといてあげるとか。そういうことを一人一人が意識してくれたらもっともっと周りからリスペクトされる場所になるんじゃないかなっていう気がする。

僕自身も、旅をしてて、一緒にいてなんかいい時間と空間を一緒に作れたなっていうような感じにして帰りたいなと、毎回思ってます。

《ライター:まく

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