”「ひとりひとりが生きやすい社会」を実現するために” | LACアワード2022イノベーター部門受賞・スイタ氏(今中知広さん)

サービス 2023.07.14
2022年10月29日(土)、LACアワード2022の表彰式が半蔵門のLIFULL HUBで行われました。「未来を描き、多様な選択肢を創出する」というイノベーター部門を受賞したスイタ氏は、その日別の会場にいました。彼は自分で作成したボードゲーム「ソノトキボクハ」の出展のため、「ゲームマーケット」という国内最大級規模のアナログゲームイベントに参加していたのです。 そんな彼の肩書きは、「旅するボードゲームクリエイター」。自身でボードゲームブランド ”Avignon Games”を立ち上げ、「ひとりひとりが生きやすい社会」を実現するために、LACを利用しながら各地を飛び回っています。 そんなスイタ氏に、「ボードゲームクリエイター」になったきっかけ、そしてなぜ「旅する」ことを始めLACと出会ったのか、そしてイノベーター部門受賞の感想など、お話を伺いました。

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「ボードゲームクリエイター」になるまで〜「いろんな活動が直線に繋がっていった」

”「ひとりひとりが生きやすい社会」を実現するために” | LACアワード2022イノベーター部門受賞・スイタ氏(今中知広さん)

ーー自己紹介をお願いします

ボードゲームブランド”Avignon Games”代表のスイタ氏と申します。大阪府吹田市出身で、狂気的な地元愛から自分のことをスイタ氏と名乗り始めました。ゲーム制作以外にも、秋葉原の高校でゲームを作る授業などをしています。

ーーまず気になるのは「スイタ氏」という名前なのですが、名前をつけたきっかけは何ですか

元々マンガを書いていて、投稿の際に「ペンネームどうしますか」と聞かれる機会がありました。そこで、「マンガ面白くない」と読者から言われた時に、本名で叩かれるよりも、架空の名前をサンドバックとして叩かれた方が、心に余裕が生まれてくるなと思ったのでつけています。
もちろん地元愛も由来です。

ーー今のお仕事について教えてください

「作る」ということと、「作るのを教える」ことですね。それから、ボードゲームは遊びを作ることだったり、人が集まるきっかけを作ることだったり、人が集まった場所でどういうコミュニケーションが生まれたらいいのかを考えることでもあります。

なので、地域創生という形で地域を盛り上げたり、大人からちびっ子まで楽しく集まるきっかけを作ったりする「場所を作る仕事」としても繋げています。

ーー元々マンガを書かれていたとのことですが、そこから「ボードゲーム」を作ったきっかけを教えてください

志望していた企業が「試作のゲームで遊ぶYouTubeチャンネル」をしていて、それを真似して自分でもボードゲームを作り始めたのがきっかけでした。

ーーその企業に惹かれたのはどうしてだったのですか

楽しそうだったからです。楽しく生きていきたいから、「楽しそうな人がいるか」「自分が楽しいと思えるか」が軸でした。また、「楽しく働ける仲間がいそうか」ということも大事でした。

ーー「ボードゲームクリエイター」になったきっかけも、その企業だったのですか

ボードゲームを意識した軸はまた別でした。普通に面白いから作って、遊んでもらうことが始まりだったんです。1ヶ月で20個くらい作ったこともあり、それを持って色んなところに遊びに行った際、「ゲーム作っているんですか」と話しかけられて遊んでいました。

それをずっとずっと繰り返していたら、「あ、これ人が集まるきっかけになっている」とか「普段見えない表情とか価値観が共有されていたりする」など、ボードゲームのいいところに後から気づくようになりました。

そこからどんどんボードゲームの道に進んでいったので、就職活動はフェードアウトし、大学卒業後にボードゲームクリエイターとして開業をしました。

ーー開業にまでつながるのがすごいですね

生活する中で、「誹謗中傷で自ら命を絶ちました」という悲しいニュースを耳にしたり、「こうしなければならない」と悩んでいる友達をみたりして、そういう人が減ったらいいのになと漠然と思っていたんです。

そこで全然違う軸で作り続けていたボードゲームが「これいい手段じゃないか」と、いろんな活動が直線に繋がったんです。そして「これはもう開業だな」と思いました。

ーー開業したボードゲームブランドはAvignon Gamesという名前ですが、その由来やどういう思いで立ち上げたのですか

1人でいる時の自分、家族で話す時の自分、上司と話す時の自分…と、いろんな自分がいると思うんです。それぞれ結構違うと思うんですけど、どっちもその人じゃないですか。その人のことを理解しようと思った時に、いろんな場面のその人を多面的に知っていったら、その人のことがより解像度高く理解できるんじゃないかと思ったんです。

そして、ある時知人の美大生たちと話をしていた際に「アヴィニヨン(avignon)の娘たち」という絵画を教えてくれて、それがキュビズム(筆者注:対象を様々な面や角度から描く技法のこと)という考え方に基づいているという話を聞きました。その考え方が自分の考えていたこととマッチして「いいね!」と感じて、その名前をつけることになりました。

LAC横瀬などでは、スイタ氏の代表作のボードゲーム「ソノトキボクハ」が販売されている
LAC横瀬などでは、スイタ氏の代表作のボードゲーム「ソノトキボクハ」が販売されている

「旅する」きっかけとLAC〜「多様な価値観・生き方に触れられる」

LivingAnywhere部門ノミネートの「旅するじょうじ」を発案したうちの一人
LivingAnywhere部門ノミネートの「旅するじょうじ」を発案したうちの一人

ーー旅をはじめたきっかけは何だったのですか

東京での生活コストが高すぎたんです。そして、バイト先との行ったり来たりだけだったので、同じ人としか会わない同じような毎日がつまらなくて、どうにかしたいと思いました。

大学生の時に新規事業を立ち上げたり、オンラインサロンに入る中で出会った方が地方移住の本業をしていたので、お話を聞きに行ってLACのことを教えてもらいました。その後1週間後にはLACでの生活を始めていました。

ーーLACを利用して、最初の印象はどうでしたか

最初はすごい写真綺麗だなとか値段安いなというところから始まったのですが、色んな人が泊まりに来るので、エンジニアの方、FIREしている方、スポーツ枕投げの選手など、自分の家の窓から新しい風が吹き込んでくるようで新鮮な経験や交流がたくさんありました。

そして、「ボードゲーム作っているので遊びましょう」と話をすると、初対面の人と相性がいいと気づきました。より自分は旅と合っているのではないかと思いました。

ーー今では、どんなところがLACのいいところだと感じていますか

変な人がいっぱいいること…(笑)。多様な価値観・生き方に触れられることがいいところですね。あとは拠点によって色もあって、様々な良さがありますね。

ーー各拠点の良さはどんなところですか

今いる横瀬は、役場だったり、民間の企業さんと繋がっていて、本当にいろんなちびっ子からおじいちゃんおばあちゃんまで来たりすることが面白いです。町も「日本一チャレンジする町」と言っていたりして、それを体現する面白い人たちが集まることがいいですね。地域の人が家庭菜園をして、野菜などのお裾分けをいただいて、それを使ってみんなで鍋を囲ってニコニコするところがいいですね。

つくばは、朝起きたら鳥のさえずりと日光で起きるのが素晴らしいですね。庭に鯉が泳いでいて、縁側でゆでたそうめん持っていって、ポカポカ日光浴びながら食べたりするのがすごくいいところだなと思います。文化財の中にあったりするので、古いいい感じの古民家のなかでゆっくりできて、コミュニティスペースが入口から寝室までの道中にあるので、コミュニケーションが生まれやすいですね。6人が最大人数なので、ちょうどテーブル囲って話すのにはちょうどよかったです。

ひたちなかでは、元々海の家だった場所がコワーキングスペースなので、海の波の音を聴きながら、海をみながら仕事ができるので「ちょっともう疲れた〜」って思ったら海を眺めるのがいい感じです。ノブさんというコミュマネの方が好きで、来るもの拒まず去るもの追わずで、いつ行っても昨日来たかのように歓迎してくれるのでいいなあと思っています。

ーーその中でもおすすめの拠点は

横瀬…のこたつですね…(笑)。大体います。
朝起きてこたつに入って、こたつから出て寝ます。

ーーよく仕事できますよね(笑)

そうですね(笑)

LAC横瀬のお気に入りの場所であるコタツ。インタビューもこの場所で行いました。
LAC横瀬のお気に入りの場所であるコタツ。インタビューもこの場所で行いました。

イノベーター部門受賞と自分のビジョン〜「生きやすい社会」の体現

ーー受賞しての率直な感想を教えてください

もちろん受賞できたことは、選んで下さった方がいるということなので嬉しいですね。かといってイノベーターっぽく、切り開いて新しい生き方を模索しながらやっていたわけでもなく、普通に楽しく生きていただけなので、今後も楽しく生きていこうと思います。

ーー自分の中ではどんなところが評価されたのかなと感じますか

どんな風なんですかね・・・。自分自身が卒業してから就職せずに開業したみたいなところとか、あとは固定の家を持たずに旅をして暮らしているあたりでしょうか。

食費3000円くらいしかかかっていないとか、そういう「食費3000円でも生きていけるんだ」といったような実例を自分が体現していくことで、「こうでなければ生きていけない」とか「これをまずしないとこれはできない」といったものをちょっとでも柔らかくできるといいですね。

「こんなこともできている人もいるし、こんな人もいるよ」という感じで、例を出されるような人間であれたら嬉しいなと思っています。頭を柔らかくする担当です。

ーーボードゲームだけでなく、自分自身の生き方も含めて、他の人が「生きやすい」ようになる道筋を示しているのですね。

高校生でバイトめっちゃ入っている人の方が「稼ぎ多くない?」と思う時があります。でもそれでも生きていけますよ。

結婚などしていたら話が違ってくるとは思いますが、一人だと案外たいしたお金はかからないし、月に10日ほどバイトするとLAC代と食費とケータイ代は払えるのではと思っています。固定概念に捉われず自分で自分を苦しませすぎる人がすこしでも少なくなればと思っています。

ーー「生きる」「生きやすく」ということを、ボードゲームだけでなく自分の身体で体現している姿が素晴らしいなと思いました。最後に読んでいる方へのメッセージをお願いします

LivingAnywhere Commonsは、現時点ではLivingAnywhereな人が多く使っているサービスだと思います。「どこでも仕事できるし、生きていける」という人が、ライフスタイルと合うから使っているのだと思います。

でも目指すところは「このサービスがあったからこそいろんなところで生きられるようになったね」というのが理想ですよね。
現に、LACの関連イベントの講師をしたらひと月のLAC利用料が稼げるので「それで生きていける」という人たちもいます。だんだんそういうふうにサービス内でも仕事が受注できて、お金を稼いで生きていける流れができていくといいですね。

今後そういう機会も生まれてくるので、ぜひそれを利用しながらLivingAnywhereに暮らしていただけたらという感じです。食費を月3000円で抑える節約術について…僕は大体横瀬にいるので、声をかけていただければと思います。「こいつずっとこたつにいるな」ってやつが、スイタ氏です。

これがLAC横瀬の日常。ぜひこたつにいるスイタ氏に声をかけてもらえればと思う。
これがLAC横瀬の日常。ぜひこたつにいるスイタ氏に声をかけてもらえればと思う。

スイタ氏
▼ボードゲームブランドAvignon GamesのHP

https://avignongames.jp/

《ライター・飯島章太

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