サポーター賞の本質(いちばん大切なこと)は、サポートが循環すること。 | LACアワード2022サポーター部門受賞・飯島章太さん

サービス 2023.07.14
2021年11月ごろからLACを利用し、2022年8月から埼玉県横瀬町に移住した、「じまさん」こと飯島章太さん。 現在では横瀬町でマルチに活動されている彼が振舞う「じまコーヒー」はすでにLAC横瀬の名物。拠点に訪れるLACユーザーだけでなく、地元の人や行政の方々にも親しまれる「じまコーヒー」の周りには、ホッと一息しながら自然とコミュニケーションが生まれ、拠点の活性化にもつながっています。そんな、人と人が触れ合う瞬間に貢献したじまさんが、LACアワード2022【サポーター部門】受賞者に選ばれました。今回、じまさんに、「町での活動」や「LACをきっかけに起きた人生の変化」、そしてサポーター部門受賞の感想を伺いました。

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LACを利用し地域と人の魅力に気付く ー横瀬町に移住するまでー

ーーまずは、簡単にじまさんの自己紹介をお願いします!

LACを使いながら全国の地域で生活する多拠点生活を終え、横瀬町に移住した飯島といいます。元々子どもと福祉の仕事をしていましたが、2022年8月から埼玉県横瀬町に引っ越し、今では町の方々から仕事をいただいています。

具体的には、ご高齢の方へのITよろず相談(スマホやパソコンの使い方などの相談を受ける)や、町役場のホームページの更新をしたり、秩父地域のニュースライターなどをしています。

ーー1年ほど前からLACを使ってきたと伺いましたが、なぜ移住先に横瀬を選んだのですか?

2012年に仙台の震災ボランティアに行ったことで、震災の怖さを目の当たりにしました。それが原体験となり、もしどこかに住むなら災害に強い町がいいなと感じていました。

その点、横瀬は山間という地盤の強さがあり、中心地のハザードマップが安全です。また、町の人が支え合う姿を見て安心感がありました。

他の拠点もいろいろ訪れましたが、LAC横瀬は特に雑談できる空間があり、たわいもないコミュニケーションができるところがいいと感じました。孤独と感じなくていい環境が横瀬にはある、と。

しかも、LACユーザー以外にも地域や行政の方々が多く訪れるので、幅広い年代の方々との新しい出会いが豊富ですよね。日常的な交流をする中で、そこに関わる人の価値観を広く知れることが、純粋に魅力に思いました。

LAC横瀬のご近所に住むじまさん。ほぼ毎日拠点で出会えます。
LAC横瀬のご近所に住むじまさん。ほぼ毎日拠点で出会えます。

ーーもともとどこかの地域に移住する予定だったのですか?

いえ、正直あまり考えてなかったですね。
元々U-29という29歳以下の人が参加できるオンラインコミュニティがあり、そこで静岡県下田市で地域の事業者さんのお話を聞く機会がありました。

そのなかで事業のプレゼンを行う「地域創造合宿」へのお誘いがあり、参加してみたところ、宿泊拠点がLAC伊豆下田だったことがきっかけでLACを知ったんです。

そこから、いくつか拠点を巡りました。北から、石巻、会津磐梯、ひたちなか、横瀬、浅草、八ヶ岳北杜、伊豆下田、田川だったと思います。

横瀬に訪れたのは、拠点がオープンして少し経ってからでした。多拠点生活中は千葉に住んでいて移住は考えていませんでした。ちょうどフリーランスとしての基盤ができてきたタイミングではあったので、フットワークはより軽くなっていましたね。

横瀬に訪れてみて、先にあげたような生活のしやすさがあったり、何より、自分が移住してすぐに地域でスタートできる仕事がすでにあると思えたことが移住決断において大きかったんです。

なんと、じまさんの名刺はコースターにもなるのです。
なんと、じまさんの名刺はコースターにもなるのです。

ボランティア活動から気付いたこと

ーー子どもや福祉に対する活動はいつから行っているのですか?

学生時代、子どもの不登校やいじめなどの電話相談をボランティアでやっていたこともあり、業界自体にずっと興味関心を持っていました。最初のキャリアも児童相談所を選びました。

しかし、業界に関わるうちに、なかなかボランティアや仕事を続けることが難しい状況があるということに気づいていきました。その理由を探っているうちに「支援者の支援」「ケアする人のケア」が必要なのでは、という考えに行き着いたんです。

ーーたしかに、とても大事な存在ですね。

はい。この業界に関わってきて、困っている人は常にいますし、もっと自分にできることがあるのではないか?という問いの繰り返しです。それがこの業界から離れられない理由かもしれませんね。

地元の子どもたちもよく遊びに来るのは、LAC横瀬ならではの光景。
地元の子どもたちもよく遊びに来るのは、LAC横瀬ならではの光景。

人生の選択肢が広がった。LACと出会って変わったこと。

ーーLACを使い始めて変わったことを、心境の変化・環境の変化・まわりの変化の3点で教えてください。

まず、心境の変化としては、LACでの人との交流を通じて視野が広がり、新たな問題意識が生まれたことです。

それまで、福祉関係の人との交流はあったものの、逆に異業種異職種での交流はほぼありませんでした。LACを使うことで、普通の生活では出会えなかったような人たちと出会えました。

違う仕事、活動をしていても、同じ価値観の人たちと交流できたことが私にとって必要な体験だったんです。

視野が広がり、共通の価値観を確認できて、その中で自分のこれからやれることについても、さまざまな観点から考えるようになったと思います。

同時に、自分が地域で何に貢献できるのかを考える機会にもなり、その中から「地域のことをいかに自分ごとにできるか」という問題意識を持つようになりました。

そして次に、環境の変化ですね。LACを使うと環境が変わってばっかりなような気もしますね(笑)
地域の特性や人の思いが、どれだけ多様なのかということを身をもって感じる機会になっています。

一方で、地域や人の「共通の価値観」を感じることもできました。その結果、さまざまな地域における共通点や差異に気付くことができましたし、そのなかで自分ができることはなにか?と考える機会が増えました。

最後に、まわりの変化についてですが、LACを使っているとまわりも変化ばかりかもしれませんね。
もちろん、仲の良い同級生や友人との交流もかけがえのないものです。でも、一期一会で、次いつ会えるかわからない人たちとの出会いから得られるものが、とても大きいのだと気づかされました。

人脈とも言えなくはないですが、多様なバックボーンを持つみんなと、どうしたらより関係性を築くことができるのか、身をもって体感して学ぶ機会になっています。

LAC横瀬の日常風景。毎日美味しいコーヒーを淹れ、拠点内にいる人に配ってくれます。
LAC横瀬の日常風景。毎日美味しいコーヒーを淹れ、拠点内にいる人に配ってくれます。

ーーどんなときに、LACを使っていてよかったと感じますか?

これはいろいろありますが、

  1. さまざまな人との交流ができたこと
  2. さまざまな地域に関わるきっかけがあったこと
  3. その中で自分の価値観を整理する機会になったこと
  4. 多拠点生活からあえて定住場所を決めるきっかけになったこと

がよかったですかね。

特に4については意外でした。多くの地域や人の出会いを通じて、自分の価値観も整理され、より自分らしく生きていく場所が横瀬町だと気付けたのかもしれません。

ーーLACじゃなきゃ経験できなかった!と思うことは何ですか?

最小限のお金を支払うことで、お金以外のものも大事にしている人たちと出会ったことだと思います。
LACは当時3万円弱だったので、一日にすると1000円くらいで居住・光熱費などを賄える。そしてホテルではないので、基本的には自分達で自炊や洗濯や準備・片付けなどをしている人がほとんどだと思います。

その”立つ鳥跡を濁さず”のような人たちだからこそ、誰かを傷つけたりする人がとても少ないように感じます。

地域の人やコミュマネさん、LACの運営のみなさん、そしてLACユーザー同士が敬意を持って関わり合っています。そういう意味では、他にない文化を持ったかけがえのないサービスだなと思うんです。

横瀬の地域おこし協力隊の赤岩さんとの一枚。農作業の休憩中です。
横瀬の地域おこし協力隊の赤岩さんとの一枚。農作業の休憩中です。

ユーザーであり、運営者であること。それがLACの特徴と無限の可能性。

ーーLACで今後やってみたいことはありますか?

  1. 各拠点での周辺地域や日常についての情報発信
  2. 子ども・福祉をはじめとした業界の人たちのリラックスできるような宿泊型の企画
  3. LACと地域を繋げられるような取り組み(移住支援・地域ツアー・交流会など)

ですかね。
あと全国にいるLACユーザーさんがどんな人なのか、取材記事とかも書いてみたいですね。もうちょっと色々やってみたいこともありそうですが。

ーーとてもわかります!やりましょう!
じまさんはLACでどんな人と出会ってみたいですか?

話を聞かせてもらえる人とこれからも会いたいですね!
なかなか話せないタイミングもあるのですが、それぞれから話を聞いていると、とても面白い話をしてくださる方が多くて。色々話をしてくれる人と出会っていきたいですね。

ーーそれを記事にしたりとか?!

そうですね。地域に対し、全然違う活動やアプローチをしているのに、ベースにある想いは共通していることが多い。色んなユーザーを知ることで、世の中を知るきっかけにもなりますよね。

特にLACの場合は、個々人が色々なことをしているので、無理に引き込むよりもいかに交わるかが重要な気もしています。なんだか面白そうだぞ!に対してどん欲な人たちが多いと思うので(笑)。

ーーこの記事を読んでくれた方に、メッセージをお願いします。

ユーザーさんへ。
大体LAC横瀬にいて、コーヒーとか配っていると思いますので、見かけた際にはぜひ話しかけて欲しいですね。色々話聞かせてほしいです〜!お酒とか飲みましょう。ダーツもやるので、一緒にやりましょう。(最近横瀬拠点にダーツが置かれました!)

LAC運営の皆さんへ。
いつもいろんなご尽力をありがとうございます。普段の生活もそうですが、ふとしたアイディアを「それいいね!」と後押ししてくれるのが心強く感じます。ぜひ運営やユーザーの垣根を越えながら、できるところはぜひご協力させてください。

これからLACを使う人へ。
今まさに色んな事に悩んでいたり、気晴らししたい、誰かと話したいと悶々としている人にはぜひLACを使ってもらいたいですね!何かを頑張るとかではなく、そこにあるのは「食」とか「住む」といった、生活の基盤なので。

とはいえ、実はLACってどんな人にも当てはまるサービスだとも思います。
自分なりの生き方を見出そうとしたり、流されないで自分を持とうとしている人、何か目的を見つけたい、やりたいことがある人。そのどれにも当てはまると思います。

色んな人が来ることがLACのサービス価値向上にもつながると思いますし、いちユーザーとしてはその多様性をどれだけ確保できるかといったところにすごく興味が湧きますね! 

LAC横瀬の入口に置かれたグランドピアノ。同じくアワードを受賞したスイタ氏の表彰状と並んでいます。
LAC横瀬の入口に置かれたグランドピアノ。同じくアワードを受賞したスイタ氏の表彰状と並んでいます。

ーーアワードを受賞してみていかがでしたか?

おれ?!って思いましたね(笑)。
移住して以降は特に、ずっと使い続けてるわけでもなかったですし・・・
でも、いつも関わっている人たちが投票してくれたことは素直に嬉しいなと思いました。

サポーター賞の本質は、サポートすることではなくて、誰かが始めたサポートが循環することにあると思うんです。LACはホテルじゃないからそれが実現できるはずですし、だから面白いんですよね。

なので、今回の受賞に関しては、「サポートしたことよりも、実のところは逆に自分がLACそのものや、そこに関わるみなさんからサポートされた数」を評価されたと思っています。

LACの価格設定もその一つで、この金額でいいの?という気持ちからサービスに還元したい気持ちが自然と沸きました。

LACの特徴の一つだと思うのは、ユーザーであり運営者でもあること、そして運営者でありユーザーでもあること。その垣根がとても低い。こんな文化と特徴を活かしてまだまだやれそうなことがあると思っています。

LACがプラットフォーム的に、実際の生活を支える環境でもあり、仕組み化して仕事が生まれたりして、LACだけで生活していける、なんて人が出てきてもおかしくないですよね。

ーーそれ最高におもしろいですね‥!

ですよね。ユーザー発信でLACをもっともっと面白くしていきたいので、ぜひ横瀬にお越しの際はお声掛けください♪コーヒーを差し上げます!


▼飯島章太さんのTwitterアカウント
https://twitter.com/shotaiijima

▼飯島章太さんのポートフォリオ

https://yokosemi.notion.site/068019c10f43483a9cc22fac8d1d7354

横瀬のまとめ情報

https://yokosemi.notion.site/yokosemi/54630851bba34ffc807ddaeccfbeb133

《ライター・まなてぃ

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